すこやかこどもクリニック浮間

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すこやかこどもコラム

よくある質問

手足口病ってどんな病気?

こんにちは。
すこやかこどもクリニック浮間 院長の金井慎一です。

今回は「手足口病」についてのお話です。

最近、手足口病が流行しているようです。
ここ数日は1日のうち少なくとも数人の患者さんは手足口病、という印象です。

この手足口病、いったいどんな病気なのでしょうか。

手足口病はかぜの一種

まず押さえていただきたいポイントは、
手足口病は「かぜ」の一種であるということです。

発疹(肌のぶつぶつ)の出方に特徴があるため、
「手足口病」という特別な病名がつけられていますが、
実は色々なウイルスによって引き起こされる「かぜ」に含まれるものです。

原因となるウイルスは1種類ではなく、
複数のウイルスがどれも似たような症状を起こします。(不思議ですね)

症状はかぜ+発疹

手足口病はつまるところ「かぜ」ですので、
発疹以外の症状は、いわゆるふつうのかぜにみられるような、熱・咳・鼻水が中心です。
熱は高いこともそうでないこともあり、
熱の高さだけでは手足口病かどうかを判断する材料にはなりにくいです。

その他にも結膜炎を起こして目やにが増えたり、
便が少し緩くなることもあります。

発疹は手・足・口+肘・膝・お尻

手足口病に典型的な発疹は、その名の通り、
手のひらや足の裏に1-2mmぐらいの赤いポツポツが出るものです。
中心が少し白っぽくなったり、盛り上がったりすることもあります。
喉の奥が赤くなったり、口内炎ができたりもします。

手・足・口の他にも、
肘や膝、おむつで覆われるような部分にも
発疹が出ることがあります。

合併症には注意

実は、手足口病「ならでは」の合併症というのは特にありません。
しかし、喉の痛みがあまりにひどくて水分も摂れなくなってしまったり、
足の裏の発疹が痛くて、歩行に支障が出るケースもあります。

また、これは手足口病に限ったことではありませんが、
稀に重症な合併症を起こすこともありますので、
熱に見合わないほどぐったりしてきたりするようなら、
できるだけ早く医療機関を受診された方がよいと思います。

治療は対症療法が中心

手足口病は自然治癒する病気で、「病気を治す」という薬は存在しません。
基本的に何もしなくても数日間で良くなっていきますが、
治るのを待つ時間を少しでも楽に過ごすために、
辛い症状に対してそれを緩和する薬を使うこともあります。
(これを対症療法といいます)

逆に言うと、「熱は出ているけれども辛そうではない」場合や
「咳や鼻は出ているけれど、日常生活に支障はない」場合は、
特に薬を使う必要はない、ということです。

ヘルパンギーナとの関係は?

手足口病と同じく、夏から秋にかけて流行りやすい病気のなかに
喉の奥が赤く腫れて、大きめの口内炎ができたりする
「ヘルパンギーナ」というものがあります。

このヘルパンギーナの原因ウイルスも一つではなく、
その中には手足口病を起こすものも含まれています。

つまり、手足口病とヘルパンギーナは全く別の病気ではなく、
人によって「手足口病」に分類される発疹の出方になったり、
「ヘルパンギーナ」の症状になったりするわけです。

前述したように、手足口病もヘルパンギーナも、
発疹以外の症状はいわゆる普通のかぜと同じで、
発疹が出てくるタイミングも発熱などから遅れることもありますので、
発症当初は「かぜ」と診断されていても、
その後「ヘルパンギーナ」になり、最後に「手足口病」と診断されたとしても
不思議はありません。

登園の目安はかぜと同じ

繰り返しますが、手足口病はかぜの一種ですので、
感染の広がり方や予防方法もかぜと一緒です。

手足口病だからといって特別な登園禁止期間が設けられているわけではありませんので、
通常のかぜと同じように、熱が下がって元気があれば、
集団生活に復帰して構わないと考えます。

シマウマはシマシマが目立つだけのウマ

これまでしつこいぐらいに繰り返してきましたが、
手足口病にせよ、ヘルパンギーナにせよ、
発疹の出方に特徴があるために特別な病名がついているだけで、
ものすごく特別な病気であるというわけではありません。

たとえが正確かどうかわかりませんが、
シマウマは特徴のあるシマシマ模様がついているがために
「シマウマ」という名前がついているだけで、
つまるところ「ウマ」であることには変わりがないことと同じです。

「結局はかぜなんだ」とということだけでも
心の隅に置いておいていただければと思います。